Q13.カウンセリングの最初に「あなたは○回で終了です」と教えてもらえないのですか?
私の場合は基本的にはお伝えすることはありません。
それは何回で終了するといって、その通りに終わるかどうかが私にはわからないというのが正直なところだからです。
カウンセリングはやってみなければわからない部分がどうしてもあります。
また、「○回で終われます」と宣言することが、果たしてクライエントにとって良いことなのかどうかもわかりません。
どんなことでも予想しなかった事態は起きますし、安易にクライエントに回数設定して、その通りにいかなかった場合、クライエントの失望は計り知れないかもしれません。
カウンセラーの頭の中ではある程度「この人は時間をかけてじっくり取り組む必要がある」とか、「そんなに長くはかからないかも知れない」というおおよその見立てが出来る場合もありますが、これをクライエントに伝えるということについては、カウンセラーはかなり慎重でなければならないと私は考えています。
また、これまでクライエントとカウンセリングをしていて思うことは、カウンセリングが深まってきて自分自身の問題にしっかりと向き合う態勢が出来てくると、あとどの位で終わるのかというような発想自体がクライエントの頭の中から消えていくということです。
それは、今自分が直面しているこの問題を根本的に乗り切っていきたいということに集中し始めたクライエントにとっては、いつカウンセリングが終わるのかということよりも、しっかりと取り組んで悔いを残さないようにしたいという気持ちのほうが勝っていくからなのではないかと思うからです。
ですからそういう段階に入ったクライエントほど、カウンセリングの終了には、逆に慎重になっていくものなのです。真に脱出の道筋をたどり始めようとしているクライエントほど、自分が今歩み始めている道のりが本物かどうかを見極めようとするために、却って慎重になっていくわけです。
ですから「いつ終われるんですか?」「一体どうすればいいんですか?」といった質問が出ているうちは、その段階にはまだ達していないということもいえるわけです。
追記:
そもそもカウンセリングの先人たちであるカール・R・ロジャーズや日本の先駆者たちの文献からも、カウンセリングの終了を予め提示することに対する積極的な提言や記述はありません。
このことからも、終了を明言することにあまり意味をもたないと考えてもいいのではないかと私は考えています。
それに、終了回数を予告することと、一刻も早く自分の問題や苦悩から抜け出したいというクライエントの気持ちを理解することとは、必ずしも一致をみないとも思っています。
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